【猫好きオジ様】エドワード・ゴーリーの絵本で英語を学ぼう!あらすじ付き【トラウマ】

絵本
ぺろ
ぺろ

不気味なイラストに理不尽なストーリー。
怖いのに、何故か気になってしまう。

ぺろ
ぺろ

今日は一部に根強い人気を誇る、エドワード・ゴーリーの絵本を紹介するね。

 

【注意】
エドワード・ゴーリーの絵本では子供が死んだり、残酷な描写もあるよ。そういった内容が苦手な人はこのページを見ないでね。

ぺろ
ぺろ

~あらすじに関して〜
原文をぼくが要約・意訳しているので、出版されている日本語版の翻訳とは違う部分があると思うけど、ゆるしてね。

エドワード・ゴーリー(Edward Gorey)って誰?

不気味なタッチのイラストに、韻を踏んだ文章、そして、ときには常人には理解が難しいナンセンスなストーリーで、世界中に熱狂的なファンを生み出した作家。2000年没。

また、言葉遊びが大好きで、ゴーリー名義以外で出版した際のペンネームは、名前の語順を入れ替えただけという徹底ぶり。
これは、ミステリー小説や謎解きでおなじみの、文字を入れ替えて別の単語を作り出す「アナグラム」という言葉遊びなんだ。

私生活では毛皮のコートとスニーカーを合わせるハイセンスコーデを披露し、日本の古典小説「源氏物語」が好きで、バレエ鑑賞にハマり、6匹の飼い猫と生活をしながら、生涯独身をつらぬいたの。

ぺろ
ぺろ

それでは、さっそくゴーリーの絵本を紹介していくね。

残酷で不条理な展開にゾッとする!エドワードゴーリーの絵本

「わたしの本の多くは子供向けのつもりなんですが、どの出版社も児童書としては出してくれないんですよ」

「どんどん変に…」エドワード・ゴーリーインタビュー集成より

普通の絵本なら、つらい出来事に遭遇したとしても最後にはハッピーエンドで終わるもの。
エドワード・ゴーリーの絵本はそうはいかない。最初から最後まで恐ろしい事が起き続け、救いなどないまま物語は終わり、読者をぽかんとさせるんだ。

The Gashlycrumb Tinies「ギャシュリークラムのちびっ子たち」

AはAmy、階段から落ちた。BはBasil、クマに襲われた。CはClara、衰弱して死んだ…Dは…

AからZで始まる名前の子供たちが淡々と死んでいくだけの衝撃の絵本。ぼくが初めて買ったゴーリーの絵本でもあるよ。エドワード・ゴーリー入門書

「何この本…!?二度と読みたくない!」そう言いながら捨てずに本棚にしまっているあなたは、もうゴーリーの魅力にはまっているのかもしれない。
一番知名度の高い作品でもあり、さまざまな死因にまつわる英単語を学べる絵本だよ。 

The Hapless Child 「不幸な子供」

優しい両親のもと、裕福な家に生まれたシャーロットは幸せだった。ある日お父様がアフリカへの出征を命じられ、そのまま帰らぬ人となるまでは…。知らせを聞いたお母様は寝込んでしまいそのまま衰弱して死んでしまう。唯一の肉親であった叔父も事故にあい、ひとりぼっちになったシャーロット…そこから地獄への転落が始まる。

とんでもない不幸に見舞われるシャーロット。だけど最後はハッピーエンドのはず。
いや、まさか…。お願い、ゴーリーお願い…!

猫には優しいのに、子どもには容赦のないゴーリー。 

ゴーリーいわく、フランス映画「L’Enfant de Paris」(パリの子供)からアイデアを得た作品だそう。

もちろん映画は途中から全く違う展開とエンディングだよ。
エドワード・ゴーリーは大変な映画好きで、多い時には1年で1000本以上見ていたというから驚かされるね。

The Loathsome Couple「おぞましい二人」※実話を元にした話

ハロルドはわずか5才にして、病気の小動物を石で殴り殺している所を目撃される。
その年にアル中の両親からモナという女の子が誕生する。そうして大人になった2人は、出会った瞬間、まるで運命かのようにお互い親近感を抱き、共に時間を過ごすようになる…そして、おぞましい事件が起きるのだった。

最初の1ページ目でソッと閉じたくなってしまうこの作品、実は1963年から1965にかけてイギリスで実際に起こったMoors murders(ムーアズ殺人事件)をもとにしているんだ。
Ian BradyとMyra Hindleyの男女2人組が10代の子供5人を殺害した事件で、犯罪おたくのゴーリーが気になって沢山の資料を読み漁り、完成したのがこの作品。

The Insect God 「蟲の神」

行方不明になってしまったミリセントちゃん。まだ5才にも満たない彼女は何故見つからないのか…最後に姿を目撃されたのは公園で一人で遊んでいるところ。草をかじっているミリセントに怪しい黒い車が近づいていく。逃げようとした彼女に、2つ”肘”のある奇妙な腕がおかしの缶を差し出した…そして…。

行方不明となった子供が車でどこかに運ばれていく間中、ずっと「純粋な恐怖」に心が支配されたよ。静かにじわじわと心を埋め尽くす、どす黒い恐怖。

The Fatal Lozenge

(単体で入手困難「Amphigorey」に英語版収録)

An Apparition 幽霊となった恋人の訪問。女性は狼狽する、あなた今日死んだのね。
The Drudge 奴隷の様に働いた。一生を掃き掃除に使った女。休まず力尽きるまで。
The Suicide 月の光に浮かびあがる飛び降り姿、後悔しても遅い。死はすぐそこに。

アルファベット順に語られる不気味で恐ろしい詩。
淡々と語られる奇妙で不幸なストーリーを楽しむ作品。

Cautionary Tales for Children「悪いことをして罰があたった子どもたちの話」

著:Hilaire Belloc(ヒレア・ベロック) 絵:Edward Gorey

大切に育てられていたジムという男の子は、あるとき乳母と動物園に行く。
子供は人が多い場所で乳母から絶対に離れてはいけないのに、ジムは言う事を聞かない悪い子だった。
だから、ライオンに食べられちゃいました!(えーっ!?)

事件のあらましを聞いた母親「言われた事を聞かないからこうなるのよ」
(ファー!?)
作者は別人でゴーリーの担当は挿絵だけど、エドワード・ゴーリーファンにはどんぴしゃな内容。

 

想像力を掻き立てられる、エドワード・ゴーリーの絵本

ときどきこんなことを言われるんですよ。「あのね、あなたの本の意味が分かりましたよ」なんて。「ほう、なんですか?」と聞くととんでもない答えが返ってくる。そこでわたしは思うんです「そういうものを読み込みたいのなら、それはそれで結構じゃないか」とね。

「どんどん変に…」エドワード・ゴーリーインタビュー集成より


読み終わっても何を伝えたいのか理解出来ない。

もしかしたら隠された深い意味があるのかもしれないし、本当は何の意味なんてないのかもしれない。

謎が解けずにもやもやしてネットで解説を探すけれど、結局は読み手にゆだねられるそんなエドワードゴーリーの絵本。

The Pious Infant「敬虔な幼子」

著:Mrs Regera Dowdy←Edward Goreyのアナグラム

3才にして敬虔なキリスト教徒となったヘンリー。家族を心から愛し、熱心にお祈りするだけでは飽き足らない。お菓子を買うのも我慢し貧乏な異教徒に小銭を恵んでやったり、安息日に聖書を読まずに遊んでいる男の子たちを戒めたり、それはたいそう熱心であった。ある寒い冬の日、未亡人に自分の分の食事を分けにいったヘンリーは…

神様は良い子ほど早くに天に連れていってしまうとは良く聞くけれど…。この作品は必死に神を敬ったのに早く死んでしまったという皮肉を表しているのだろうか。

 

The Doubtful Guest「うろんな客」

風の強いある冬の夜、予想もしない奇妙な姿の訪問客がやってきた。そいつは素早く家の中に入り込み、何を言ってもまるで反応がない。家族が諦めてその晩は寝てしまうと、次の日の朝食にちゃっかり顔を出す。そうしてその生き物はそのまま家に住み着くのだった…。

最後までこの生き物が何なのか分からない。だけどもう一度読み返してみると少し可愛く思えてきて、数回読み返した頃には愛着さえ湧いてくるんだ。

個人的にこの生き物は親の立場からみた子どもという考察が一番気に入ってるよ。

なるほど本を全部破いたり、ドアの前に寝転がって邪魔したり、姿が見えないと思ったら変な所から現れたり…。子供がやりそうな事でもあるね。
こうやって色々な考えを思い巡らせるのもゴーリーの絵本の魅力の1つだね。

The Curious Sofa

著:Ogdred Weary←Edward Goreyのアナグラム

アリスが公園でぶどうを食べていると、ハーバートという性的な魅力に溢れた男が声をかけてきた。タクシーに乗るやいなや口には出せない事に夢中になる二人。
そしてそのまま彼の家に誘われ、しばらく滞在するように説得されるのだが…。

途中ふわふわの可愛い大きな犬が出てきて、今回の話は平和に終わるのかと思ったのに…やっぱり違ったよ。

ラストの展開について、何故そうなったのかと記者に聞かれたゴーリーは、
「わたしにも全然わかりません」
そう…答えたのであった。

The West Wing 「ウエスト・ウイング」

どこかにある西棟の内部が描かれている。落ちている3足の靴。椅子に座ってるおじいさん。大きな荷物。ポットを運ぶメイド、裸の男…。

文字の一切ないイラストのみの作品。
読者をイマジネーションの世界へご案内。

考察意欲を掻き立てられるこの絵本、実はゴーリーの文章を非難した文芸批評家Edmund Wilsonに捧げられた作品なんだ。

皮肉の為だけに、文字のない絵本「ウエスト・ウイング」を描いた説が浮上。
他にも文字がない絵本も出してるし、たまたまかなぁ。

英語でエドワード・ゴーリーの作品をまとめて楽しむには?

「ゴーリの絵本で英語を学びたい!」
「ゴーリーの作品を原作で一気に読んでダークな世界に浸りたい!」

そんなちょっと変わった方にはゴーリーの絵本がセット収録されている「Amphigorey」コレクションがおすすめだよ。収録作品を紹介しとくね。

「Amphigorey」(1冊目)

ゴーリーの人気作品を含む15冊を読む事が出来るよ。
1953年発売でゴーリー初の絵本作品となる「The Unstrung Harp (弦のないハープ)」
「The Gashlycrumb Tinies (ギャシュリークラムのちびっ子たち)」
「The Hapless Child (不幸な子供)」
「The West Wing (ウエスト・ウイング)」
「The Insect God (蟲の神)」
「The Bug Book (むしのほん)」
「The Rememberd Vist (思い出した訪問)」
「The Fatal Lozenge」も収録されているよ。

 

「Amphigorey Too」(2冊目)

「The Pious Infant (敬虔な幼子)」
「The Disrespectful Summons (失敬な招喚)」を含む20作品を収録。

「Amphigorey Also」(3冊目)

「The Loathsome Couple (おぞましい二人)」
「The Tuning Fork (音叉)」
「The Glorious Nosebleed (華々しき鼻血)」
「The Utter Zoo(まったき動物園)」
「The Epiplectic Bicycle(優雅に叱責する自転車)」

などを含む17作品収録。

「Amphigorey Again」(4冊目)

ゴーリーの死後発売された1冊で、「Category (キャッテゴーリー)」や未発表作品を含むコレクションを収録。

 

 

ぺろ
ぺろ

さあ、君もエドワード・ゴーリーの絵本を読んで、英語を勉強しちゃおう!

ぺろ
ぺろ

なんたって、ゴーリーの絵本には通常の英語学習では出会わないような単語もたくさん出てくるんだ!

・ghastly(身の毛のよだつ程ぞっとする) ・heathen(異教徒の)

・languish(悩み暮らす) ・Sabbath(安息日) ・apparition(幽霊) など

ぺろ
ぺろ

いつ使うかさっぱり分からないけど、覚えて周りと差をつけちゃおう☆

タイトルとURLをコピーしました